コラム

2025-03-21 09:15:00

地価上昇を続ける福岡市の住宅市況はどうなるの?

 

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2025年3月18日、国土交通省より公示地価が発表され、福岡市の地価動向が明らかになりました。福岡市全体の住宅地の地価上昇率は9.0%で、全国の県庁所在地の中で最も高い上昇率となっています。 

 

特に注目すべきは、福岡市東区箱崎地区です。この地域は、2024年4月に九州大学跡地の再開発事業者が決定し、計画の概要が明らかになったことなどから、住宅地・商業地ともに県内トップの上昇率を記録しました。箱崎の調査地点では、前年から19.3%の地価上昇が見られ、全国でも9番目の高さとなっているそうです。

 

一方、福岡県全体の地価上昇率は5.5%で、11年連続の上昇を示していますが、上昇幅はこれまでに比べ縮小しています。これは、地価の上限に近づき、これ以上高くなると購入者が減少する可能性があるためとされています。 

 

また、福岡市内では、富裕層向けの高額マンションが好調な一方、一般向けのマンションの売れ行きが鈍化するなど、二極化の動きが見られます。特に、福岡市中央区大手門に建設中の27階建てタワーマンションでは、最も高い部屋が6億円を超える価格設定となっています。 

 

さらに、福岡市東区の新築マンションの相場は、アイランドシティの「香椎照葉」で3LDK(90㎡)6,880万円、開発が進んだ「千早」で3LDK(68㎡)5,590万円、新宮町に近い「和白」で3LDK(89㎡)5,990万円となっています。 

 

このように、福岡市の地価は全体として高い上昇率を示していますが、地域や物件の特性によって動向が異なり、今後も変化がありそうですので注視が必要です。

 

さてここからは、2025年の公示地価の発表を踏まえ、福岡市の新築マンション・新築戸建および中古マンション・中古戸建の市場動向がどうなるかについて公開データをもとに予測してみます。

 

1. 新築マンションの市況予測

① 価格上昇は続くが、販売ペースは鈍化

地価の上昇(住宅地9.0%上昇)が続いているため、新築マンション価格も引き続き上昇すると見込まれます。しかし、 一般向けのマンション価格が高騰しすぎて購入者離れが進む可能性があり、現状でもその傾向は出ているようです。富裕層向け高額マンションは好調で、今後もハイエンド市場は活発に推移するでしょう。

 

② 供給数の減少

建設コストの上昇(人件費・資材費)が続くため、デベロッパーは採算の取れる物件に絞り込んで供給せざるを得なくなり、その結果、 新築マンションの供給数が減少し、「買いたくても買えない」状況が生まれる可能性があります。

 

③ 立地による価格格差の拡大

天神・博多・大濠・百道などの人気エリアは高値維持するでしょう。また、箱崎や東区の開発エリアは今後も値上がりが続く可能性が大きいでしょう。

 

2. 新築戸建の市況予測

① 福岡市中心部では厳しい

地価が上昇しているため、 中心部での新築戸建の供給はますます困難になります。郊外エリア(糸島・新宮・春日・那珂川など)に需要がシフトしていくでしょう。

 

② 用地取得の難しさ

土地の仕入れが難しくなり、建売戸建の価格は上昇しています。ハウスメーカーも価格高騰による販売苦戦が現実となっており、今後ますますその傾向は強まると懸念されます。

 

3. 中古マンションの市況予測

① 価格上昇の波が続く

新築マンションの価格高騰が続くため、中古マンションの需要が増加し始めています。特に、築10~20年程度の「比較的新しい中古マンション」の人気が続くでしょう。また、築30年以上のいわゆる築古物件はメンテナンスコストの懸念から価格が横ばい、もしくはエリアによっては下落の可能性があります。

 

② 売り物件の不足

新築の供給が減少するため、中古市場に流通する物件数も減ってくると思われます。そのため、 築浅の人気物件はさらに高値で取引される可能性があります。「中古でも良いから買いたい」という層が増えるため、 価格交渉の余地が少なくなるのではと予測されます。

 

4. 中古戸建の市況予測

① 立地によって二極化

福岡市中心部の戸建は希少価値が高く、価格維持または上昇するでしょう。ただし、築年数が古い物件は リフォームやリノベーション費用がかかるため、需要が限定的と思われます。また、郊外では人口減少の影響で売却が難しくなる可能性もあります。

 

② リノベーション需要の拡大

新築戸建の価格が上がりすぎた結果、中古戸建をリノベーションして住む動きが増えるでしょう。リフォーム済みの中古戸建が人気になり、築古物件でも適正価格なら売れる市場が形成されると予測されます。

 

5. 総括

新築マンション・戸建の価格は引き続き上昇。

新築マンションは高額化しすぎて一般層の購入がより困難になるのではと予測されます。中古マンションの人気が続きますが、築年数やエリアによって価格差が生じるでしょう。中古戸建はリノベーション需要が拡大しそうです。全体的に「買いたくても買えない」状況が増え、市場の二極化が進む可能性が高くなるでしょう。

 

結論

2025年以降、福岡市の不動産市場は 「価格上昇が続き、買える人と買えない人の格差が拡大する」 という流れになると考えられます。特に、高価格帯のマンションや戸建は順調に推移すると思われますが、中間層が手の届く物件が減少するため、福岡市内の住宅取得がますます困難になる可能性があります。今後の経済動向(金融政策・金利の変化)や、都市開発の進展が市場に与える影響にも注視し最新情報をチェックしながら、マイホーム購入予算や買い時(売却や住み替え時期も)を慎重に検討する必要があるでしょう。

 

※福岡県および福岡市の地価公示に関する最新情報(新聞・テレビ報道等)を参考にさせていただきました。