コラム
海辺の暮らしに心惹かれるたら読むべき本。 インテリアの洋書「SEASHORE STYLE」。
先日「海っぴマンション」のコラムを書いていたら、昔買った洋書のインテリア本「SEASHORE STYLE」が事務所にあったのを思い出して、久しぶりにページをめくってみた。
1977/5/1発刊だが、購入したのは確か1990年代の中頃で、当時小戸公園(福岡市西区)の近くに初めてのマンションを購入した頃だと思う。夫婦二人の2LDK(3DKを設計変更)の狭い間取りだったが、海の近くというロケーションが気に入って、衝動買いした。
越してくるまでは警固(福岡市中央区)のけやき通りに面する賃貸マンションに住んでいたので、天神の勤務地からは少し遠くなったが、オンとオフの切り替えにメリハリがついてよかったと思う。休日の朝は小戸公園まで散歩して、当時公園内で週末だけ開店していた移動ハンバーガー屋さんでテイクアウトしたり、ヨットハーバーの2Fにあったレストランでランチしたりと、ずいぶんとのんびりとした時間を楽しんだ。
越してきてからは、休日の夕方アティックルームのルーフバルコニーで今津湾のサンセットやヨットハーバーを眺めながらビールを飲む、というのが定番になり、毎週酒屋さんから瓶ビールをP箱(20本入り)で届けてもらっていたのが、懐かしい。
(余談:配達してくれていた酒屋のお兄さんがプライベートで乗っていたのが赤のpeugeot205GTIだった。ちょいバブルっぽいけど笑)
その小っちゃな部屋を、海辺の暮らしにふさわしい雰囲気にしようと考え、当時天神のイムズにあった洋書店で「SEASHORE STYLE」を購入したというわけだ。妻と二人で海辺で拾った流木や貝殻を集めては、不細工な飾りものなどをつくっていたと思う。
ページをめくると、青と白、サンドベージュの柔らかな色合いが紙面に広がり、木のぬくもり、ロープや麻、貝殻、ガラス瓶など、自然素材を活かしたインテリアのアイデアがぎっしり。小さなビーチハウスからモダンな海辺の邸宅まで、多彩なスタイルが紹介されていて、どれも心がほっとする空気感をまとっている。ああ、これだな、と改めて思う。
なかでもおススメなのは、手軽にできるDIYのアイデア。我々も参考にした。流木を組んだフォトフレームや、ロープを巻いた椅子、ガラス瓶をリメイクしたランプなど、どこか懐かしく温かみのあるものばかり。ヴィンテージ感のある写真の色合いも味わい深く、たぶん、1970年代の空気をそのまま閉じ込めたような一冊と言ってもいいだろう。
海のそばで暮らしたいが事情が許さない、そんな方はぜひ「SEASHORE STYLE」を手にして暮らしにほんの少し海のエッセンスを添えて、自然体で心地よい空間にしてみませんか。眺めるだけでも癒される、まるで心の避暑地のような存在です。この一冊で、自分だけの“海辺の時間”を感じることができますよ。