コラム
来年(2026年)、福岡の中古マンション 買った方がいいの? 買わない方がいいの?
このところ福岡でも新築マンションの高騰や供給物件の減少などを受け、中古マンション購入検討へシフトする方が増えています。しかし、12月19日の政策金利引き上げ決定を受け、いよいよ住宅ローン金利上昇が現実的になってきました。
このような局面で、来年(2026年)中古マンション、買った方がいいの?買わない方がいいの?と「欲しいけど躊躇している」方も多いのではないでしょうか。そこで今回のコラムでは、最新の金利動向や市場の実勢を踏まえて、「買った方がいい理由と、買わない方がいい理由」を不動産エージェント的視点で解説してみました。さて、あなたの判断は?
◎2026年に買った方がいい理由
1. 金利上昇前の購入メリットが残る可能性
日銀は2025年末の政策金利引き上げにより、短期金利が約0.75%に達しています(30年ぶり高水準)という局面です。今後も上昇基調の可能性が指摘されています(さらに1.0%超への予想も一部にあります)。
→ 「上昇前の適度な金利水準」でローンを組むことで、総返済額を抑えられる可能性があります。
2. 住宅ローン控除等の税制優遇措置が継続・延長の動き
住宅購入に関する税制優遇(住宅ローン減税など)は、購入の負担軽減に寄与します。最新の税制改正でも、控除期間延長や対象範囲の見直しが議論されており、適切なタイミングでの購入が負担総額に大きく影響する可能性があります。
→ 税制優遇が「待つこと」のメリットを上回るケースもあるため、2026年の購入機会を逃さない判断も有効です。
3. 市場が二極化し、価値ある物件の確保が優先される可能性
専門家予想では、2026年は「資産価値が上がる物件」と「市場で売れにくい物件」の二極化が進む可能性がある」とされています。立地・管理・築年数など選択眼が重要になります。
→ 質の良い物件を先に確保することは将来的にも有利です。
4. 価格下落局面を狙った良質物件購入機会
金利の上昇は一部で購入意欲を削ぎ、価格の調整圧力をかけています。特に郊外や一部エリアでは、価格下落傾向が見られるという観測もあります。
→ 価格が調整され、割安な物件を探せる可能性もあるため、タイミングとしては悪くない場合があります。
△逆に、買わない方がいい理由
1. 住宅ローン金利の先高観が不確実性を増す
金利は既に上昇しており、今後も政策金利が引き上げられる可能性が高いとの見方があります。
→ 今ローンを組むと、長期的に金利負担が重くなるリスクがあります(特に変動金利や期間短期固定を選んでいる場合)。
2. 金利上昇により月々返済額が負担増のリスク
例えば変動金利や固定期間選択型を選んだ場合、市場金利上昇が返済額に反映される恐れがあります。今後金利がさらに上昇するほど、払い続ける利息の累計額も増え、総返済額が当初想定を超える可能性があります。
3. 物件価格の二極化・市場の成熟化
二極化の進行は、裏を返せば「価値が上がらない・流動性が低下する」物件が出てくる可能性があることを意味します。
→ 立地や築年・管理状態を見誤ると、購入後に資産価値が伸び悩む可能性があります。
4. 管理費・修繕積立金のコスト増加懸念
中古マンションの場合、修繕積立金や管理費の引き上げリスクがあります。長期保有を前提にする場合、これらのランニングコストが返済負担を圧迫することもあるため、慎重な資金計画が必要です。
まとめ(結論)
✔ 買うメリット
・上昇金利前のローン条件を確保できる可能性
・税制優遇を活用できる
・良質物件を先に押さえられる
・調整価格の割安物件を狙える
✖ 買わない(待つ)方がいい理由
・金利上昇の影響で負担額が高まるリスク
・総返済額増加の不確実性
・二極化で資産価値が伸びない物件を買うリスク
・維持費用の増加懸念
✅不動産エージェントとしてのアドバイス
・住宅ローンシミュレーションを数パターンで比較 し、返済負担の許容範囲を可視化してください。
・立地・築年・管理体制・修繕計画など、物件固有のリスクをしっかり評価してください。
・固定金利の住宅ローンも選択肢に入れ、金利変動リスクを低減する戦略を検討しましょう。
・税制優遇・補助制度の最新情報も必ず確認し、活用可能な制度を逃さないことが重要です。
福岡市内の中古マンション市況(概要)
次に、上記の判断材料に加え、福岡の中古マンションの市況を見てみましょう。福岡市内および近郊の中古マンション市場のエリア別動向を、2025年のデータ及び2026年の予測を踏まえて不動産エージェント視点で解説したものです。2026年の購入判断にも役立つよう、価格傾向・人気の差・地域ごとの特徴とリスクを具体的に整理してみました。
福岡市内の中古マンション価格動向(全体)
・福岡市全体の中古マンション価格相場は
約46.6万円/㎡(坪単価約154万円)と前年比で約+5.9%の上昇が見られます。
・取引件数では築年40年超の物件も増え、高経年物件が市場に流通している点も特徴です。
・中古マンション市場全体としては 堅調な価格推移 が続いています。
各区・人気エリア別の状況
中央区(天神・大濠公園周辺など)
・市内で最も価格が高いエリアで、平均単価も上位。
・中古でも資産性が高く、人気・流動性が非常に高い。
・再開発・商業利便性の高さから、今後の価格下支えも期待されやすいです。
・ポイント:立地・眺望などで価値差が大きく、物件選びの精査が重要。
👉メリット:資産性が高く、将来的な売却時の下支えが期待できる
👉注意点:価格が高く、資金面での負担が大きい
博多区
・博多駅アクセスや再開発恩恵が大きいエリアとして人気。
・中古マンション相場も高めで、平均価格を押し上げています。
・ビジネス・交通利便を求める層の需要が強いです。
👉メリット:安定的な需要が継続しやすい
👉注意点:都心部につき価格変動リスクも比較的大きい
早良区・城南区
交通利便性・教育環境が評価され、人気が根強い住宅エリア。
相場は高価格エリアほどではないものの、年々上昇基調。
👉メリット:落ち着いた住宅価値、ファミリー層ニーズ
👉注意点:駅距離や物件の条件差が価格に影響しやすい
西区・南区・東区
・西区はやや価格上昇が鈍化傾向(-2.1%)もみられます。
・南区・東区は比較的価格が抑えられ気味ですが、交通利便や生活環境の評価から一部人気があります。
👉メリット:価格が抑えられており、コストパフォーマンス重視の購入者向け
👉注意点:将来的な資産性の伸びは他エリアと比べて限定的な可能性
近郊エリア(福岡市外)の特徴
春日・大野城・筑紫野など(近郊市)
・福岡市中心部と比べると単価は低いものの、通勤利便性・子育て環境から人気があります。
・価格帯は福岡市中心より手頃であり、中古市場の選択肢が多い特徴です。
👉メリット:同じ予算で専有面積の広い物件が探せる
👉注意点:中心部ほどの流動性や価格上昇力は期待しにくい
市場全体の特徴とトレンド
✔️ 価格上昇傾向が続く状況
福岡の住宅需要は高く、特に中心エリアでは中古物件価格の上昇が目立ちます。
福岡県全体の土地価格・住宅需要も上昇傾向にあり、安定したマーケット基盤があります。
✔️ 供給・条件差による価格の二極化
・中心部の人気エリアとそれ以外の郊外では、価格動向・需要の強さに差が出てきています。
・駅近・築浅・良好な管理状態の物件ほど価格が堅調。
まとめ:エリア別の買い時・買い方のポイント
エリア 特徴 購入ポイント
中央区 最高値エリア・資産性重視 将来の流動性を重視した購入
博多区 交通利便・再開発恩恵 将来価値の上昇期待あり
早良区/城南区 住宅エリアとして安定 ファミリー向け
西区/南区/東区 コスト重視層向け 価格抑制された選択肢
春日・大野城など近郊 手頃・広さ重視 通勤を許容できる場合の選択肢
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💡 エージェントとしての解説ポイント
・資産性重視なら中心部(中央区・博多区)は依然として強い需要・価格基調。
・予算や生活優先なら近郊・郊外も有力な選択肢で、住みやすさと価格のバランスが取れるケースが多い。
・駅近・築浅・管理状態が良い物件ほど価格上昇や売却時の価値維持に有利です。
・価格二極化と需要差の影響を理解した上で、購入目的(住まい・投資など)を明確にすることが重要です。
さて、いかがでしたでしょうか?いずれにしても、中古マンションに限らず限られた予算で100%希望を叶える住まいを購入することは至難の業、ほぼ不可能と言っていいでしょう(夢がない話ですが、夢で家は買えません)。
前向きに購入を検討するなら、まずは譲れない点、譲れる点を整理して、一度不動産エージェントにご相談されてはいかがでしょうか?
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