コラム
2026年 若年層の住宅購入・建築検討者は「今が買い時!」と思っている!?
SUUMOのアンケート(2025年)によると「住宅購入・建築検討者」のうち、50%が「今が買い時」だと思っているそうです。これは2020年のリサーチ以来最も高い水準で、なかでも、20代・30代の若年層では半数以上が「買い時」と回答したとのこと。これから住宅価格がさらに上がりそうという理由や、35年を超える超長期住宅ローンの存在が背景にあるとの分析。
しかし実際は、「周りが買い始めているから焦る…」「でも、ニュースを見ると今は買い時じゃない気がする…」「住宅は欲しいが50年もローンに縛られるのはイヤだ」等々、SNSやニュースの情報に振り回されている方も多いと思います。
結論から言うと、「万人にとっての買い時」はありませんが、「あなたにとっての買い時」は確実に存在する、ということです(実際、購入ご相談も30代のお客様が増えており、先月は30代前半のお客様が築浅中古戸建を購入されました)。
特に今の20代・30代は、「最長50年ローン」という、上の世代にはなかった新しい選択肢が選べるというある意味「大きな武器」を持っているとも言えます。この「超長期ローン」をどう活かすかを含め、今の市場環境での「住宅購入・建築のメリット・デメリット」を6つの視点から分かりやすく解説します。特に若年層の皆さんがこれから住宅取得を目指す際、特に気を付けていただきたいことなどのポイントを不動産エージェントの視点でまとめてみましたので、参考にしてみてください。
1. 住宅ローン金利上昇の視点
長らく続いた「超・低金利時代」が終わり、金利上昇の局面に変化しました。
メリット: 金利が上がるということは、裏を返せば「景気が良くなっている(給料が上がる見込みがある)」という社会のサインです。また、これ以上の金利上昇リスクを避けるために、変動金が主流だった時代から「固定金利」を選ぶなど、リスク管理に目が向く良いきっかけになります。
デメリット: 変動金利・固定金利ともに上昇傾向にあります。金利が1%変わるだけで総返済額が数百万円単位で変わるため、「過去先輩たちが買えた金額」と同じ予算で組むと、月々の生活が苦しくなるリスクがあります。
💡 50年ローン時代のポイント
20代・30代の最大の強みは「完済までの期間を長く取れること」です。最近注目されている「50年ローン」を活用すれば、金利が上昇局面にあっても、月々の返済額を極限まで低く抑えることができます。ただし、期間が長い分、総利息額は膨らむため、「長く借りて、余裕が出たら繰り上げ返済する」といった賢い戦略が必要です。
2. 住宅価格(新築・中古)の上昇の視点
首都圏や主要都市圏を中心に、特に新築マンションは一般会社員の手が届かない水準まで上がり、つられて中古市場も高騰しています。
メリット: 「高く買った家(市場評価に見合う)は、将来も高く売れる(貸せる)」可能性が高まります。特に駅近や再開発エリアなど、立地の良い物件を選べば、家そのものが将来の大きな資産(貯蓄代わり)になります。
デメリット: 単純に「予算内で買える物件の選択肢」が減ります。新築を諦めて中古にせざるを得なかったり、希望のエリアからの駅距離を妥協したりと、理想と現実のギャップに直面しやすい状況です。
💡 50年ローン時代のポイント
物件価格が高騰して「35年ローンでは月々の返済が予算オーバー」になる物件でも、50年ローンにすることで月々の返済額を下げ、希望の物件に手が届くようになるケースがあります。価格上昇への対抗手段として期間を延ばす選択ができるのは、若い年代ならではの特権です。
3. 住宅設備・建築資材の高騰の視点
円安や人手不足、物流コストの上昇も相まって、キッチンやトイレなどの設備、木材などの資材価格が上がっています。
メリット: 最新の物件は、資材高騰と同時に「省エネ基準」などが義務化・強化されています。初期費用は高くても、遮熱性や断熱性が高く、毎月の電気代・ガス代を安く抑えられるエコな家に長く住めるメリットがあります。
デメリット: 中古物件を買って「自分好みにフルリノベーションしよう!」と思った時、リノベ費用が数年前の1.5倍近くかかるケースがあります。「物件価格+リノベ費用」の総額が、新築と変わらなくなってしまう「誤算」に注意が必要です。
4. デフレ経済(からの脱却)の視点
日本は長年のデフレ(モノの価値が下がり、お金の価値が上がる)から、インフレ(モノの価値が上がり、お金の価値が下がる)へとシフトしています。
メリット: インフレ局面では、「現金で貯金しておくこと」が一番の損になります(お金の価値が目減りするため)。「家」という現物資産に変えておくことで、インフレから自分の資産を守る(資産防衛)ことができます。
デメリット: モノの値段(物価)が上がる一方で、「自分の給料」がそれ以上に上がらないと、住宅ローンの返済がじわじわと家計を圧迫します。生活費全体のコストアップを計算に入れておく必要があります。
5. 資産運用の視点
新NISAの普及などで、20代・30代の間でも「投資」が当たり前になっています。
メリット: 住宅ローンは、自分の信用を使って超低金利でレバレッジ(テコの原理)を利かせられる唯一の手段です。さらに50年ローンを使って月々の住居費(返済額)を極限まで低く抑えることで、浮いた手元資金を毎月「新NISA」などの資産運用に多く回すという、若い世代ならではの効率的な「ハイブリッド資産形成」が可能になります。
デメリット: 長期でローンを組むと、どうしても総返済額(利息)が増えます。「資産運用で得られる利回り」が「住宅ローンの金利」を上回っていればトータルでプラスになりますが、運用のリスク管理とローンの金利動向の両方に目を配る必要があります。
6. ライフプランの視点
結婚、出産、転職、親の介護など、20代・30代は人生の「転換期の始まり」の時期です。
メリット: 早いうちに家を買うことで、「老後の住まい不安」が若い段階で解消されます。また、万が一の際、住宅ローンがチャラになる「団体信用生命保険(団信)」が手厚いため、高い生命保険に入り直す必要がなくなり、合理的なライフプランが組めます。
デメリット: 50年という超長期のローンは、人生の「足枷(あかせ)」になるリスクも含んでいます。30歳で組めば完済は80歳。「定年退職時(60〜65歳)にまだ大きな残債が残っている」という現実に直面します。また、転職や転勤、家族構成の変化があった時に、簡単に身動きが取りづらくなる可能性があります。
💡 まとめ:50年ローンも選べる今、20代・30代が家を買うなら
今の時代、「とりあえず買っておけば安心」「家は一生の買い物のあがり(終着点)」という考え方は危険です。特に50年ローンは、強力な武器になる一方で、使い方を間違えると老後を圧迫する諸刃の剣となることもあります。
もし今、あなたが家を買うなら、以下の3つの条件を意識してください。
1.「売れる・貸せる」という流動性(資産性)を重視して、立地を選ぶこと(50年住み続けるのではなく、途中で売却しても住宅ローンを精算できる物件を選ぶのが鉄則)。
2.「50年ローンだから高くても買える」ではなく、将来の繰り上げ返済や売却を見据えた予算にすること。
3.ライフプランの変化に応じて、10年後・20年後に住み替えることも前提で選ぶこと。
最後に
「家が高いから買わない」「金利が高くなるから怖い」「ローン期間が長いからダメ」ではなく、「この時代、この年齢だからこそ、どう賢く仕組みを利用するか」が大切です。不安なこと、迷うことがあれば、いつでもお気軽に私たちエージェントに相談してくださいね。あなたの人生設計に伴走します!
