コラム

2023-12-08 13:33:00

不動産エージェントと不動産会社の違い

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不動産エージェントを始めました、とSHERPAの名刺を出して挨拶すると、名刺を受けとった方は「不動産屋を始めたんですか?」と必ず問い返されます。私の周りで「不動産エージェント」が何をする人なのかを正確に把握している人は、残念ながらまだ一人もいません。メディアや不動産業界の方々も「なんか最近聞いたことあるなぁ」というところがせいぜいです。

以前と比べれば、日本でもようやくこの「不動産エージェント」についての記事がWEBなどで見受けられるようになりましたが、まだまだ不動産取引仲介の仕事は「不動産会社」がするのが一般的と思われているのが現状でしょう。

 

不動産エージェントとは売主・買主の「代理人」

「エージェント」は「代理人」という意味です。不動産エージェントとは「不動産取引する人の代理人」ということで、正確に言えば「売主や買主に代わり、専門的な知識と信義をもって取引を成功に導くコンサルタント」です。売主、あるいは買主にとって、最大限の利益のある不動産取引ができるようにサポートするのが本来の役割です。新築住宅偏重だった日本でも、このところ既存(中古)住宅へのニーズも高まりつつある中で、これからはますます「不動産エージェント」の出番が増えてくるものと思われます。

 

不動産エージェントと不動産会社の違い

「不動産取引の代理をするということは、いままでの不動産会社と同じでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。違いはなにかというと、不動産エージェントは「個人」であり、不動産会社は「企業」という点です。不動産会社にも営業担当がいますが、彼らは不動産エージェントではありません。

最近では「エージェント制度」を設けている不動産会社もあり、営業担当者を「エージェント」と呼ぶこともあります。しかし、企業としての営業担当は、やはりどうしても従来通り「会社の利益」や「営業成績」のために目の前の不動産取引そのものを成立させることに注力せざるを得ないのです。

 

不動産エージェントの働き方

不動産エージェントは不動産会社と業務委託契約を結び、自営業(フリーランス)として依頼人の不動産取引の仲介サポートを行います。宅建業としてのコスト(事務所経費、管理費等の固定費)は契約した不動産会社がもつので不動産エージェントが引き受ける必要がなく、それぞれの依頼主(売主若しくは買主)の納得のいく「不動産取引業務に集中」できるのです。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、不動産会社の営業担当の中には「両手成約」を目指すあまり、他社に依頼主の不動産情報を開示しなかったり、他社からの客付けを理由を付けて拒んだりするケースもみられます。これはいわゆる「囲い込み」という悪質で違法な営業手法で、依頼主の利益を損なう場合もあります。

不動産エージェントが全く両手成約をしない、ということではありませんが、紹介や紹介からのリピートが「不動産エージェントの命」ですので、依頼主の利益を損なわせてまで自身の利益を優先させることはないでしょう。

余談ですが、中古不動産取引市場が日本と較べて圧倒的なスケール(全住宅の80%)のアメリカでは、従前より不動産取引を仲介するのは不動産会社(ブローカー)より不動産エージェントが主流なのです。