コラム

2023-12-27 08:45:00

不動産売買にかかる仲介手数料とは?

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中古マンションや中古戸建あるいは土地等の売買は、不動産会社(エージェント)に仲介(媒介)を依頼することから始まります。まずは不動産会社(エージェント)と媒介契約を結ぶことで、不動産会社は売買先を探す営業活動を開始し、この活動に対する成果報酬として、仲介手数料が発生します。この媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、売主はどの媒介契約を結ぶかを選択することができます。※それぞれの媒介契約の詳細についてはまた後日ご紹介します。

◎仲介手数料には上限がある

不動産売買の仲介手数料がいくらかかるのか、相場はあるのかなど気になる人は多いでしょう。仲介手数料に関するトラブルを未然に防ぐためにも、仲介手数料については理解が必要です。

まずは、不動産会社(エージェント)が受け取る仲介手数料には、宅地建物取引業法により定められた上限額がある、ということです。不動産会社(エージェント)がこの上限額を超える仲介手数料を請求した場合は法令違反となります。しかし、法令で定められているのはあくまでも上限額で、下限額については設定されていませんので、上限額以内であれば不動産会社(エージェント)がケースバイケースで自由に決められます。

◎営業活動に対する成功報酬

不動産会社(エージェント)と媒介契約を結ぶと、不動産会社の担当(若しくはエージェント)は売買のためにさまざまな営業活動を行います。例えば、不動産情報サイトに物件情報を掲載したり、チラシを新聞折込したりポスティングをしたりする他、購入検討者の物件見学に立ち会ったりなどの販売活動も行います。

この営業活動の報酬は、前述したように売買が成立したうえで支払われる「成功報酬」となっています。ですので、物件の売却や購入の仲介を依頼したものの売買契約が成立しなかった場合、仲介手数料が請求されることはありません。

◎実際にいくらかかるのか?

皆さんがよく見るポスティングチラシ等には物件価格や管理費等の金額は掲載されていますが、この仲介手数料まで掲載しているチラシは皆無と言っていいでしょう(仲介手数料がかかります、と小さく表示しているところはまだ良心的かも)。不動産会社が「売主」の場合は仲介手数料はかかりませんが、物件情報の取引形態の項が「仲介」と表示されている場合は、物件価格とは別に相当の仲介手数料が必要になります。

この仲介手数料が不動産会社の収入となるわけですが、皆さんが思っているより高額になるものです。不動産会社(エージェント)から提示された金額を見てビックリされたことがある方も多いのではないでしょうか。不動産の売買においては全体の予算を把握しておく上でも仲介手数料について事前に理解をしておくことが大切です。

また、不動産会社(エージェント)の仲介手数料は下記のように宅地建物取引業法で定められています。

※仲介手数料には消費税10%がかかります。

◎取引物件価格(税抜)  仲介手数料の上限

①400万円超      取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税

②200万円超~400万円以下 取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税

③200万円以下      取引物件価格(税抜)×5%+消費税

※参照:宅地建物取引業法

https://www.mlit.go.jp/common/001307055.pdf

 

◎仲介手数料の計算例

では、事例を上げて仲介手数料を計算してみましょう。レインズ(不動産仲介会社だけが物件情報を確認できるシステム)で探すと福岡市西区の3LDK(73㎡)のマンションが3100万円(2023年12月26日現在)で売りに出されていました。仮に値引き交渉して3000万円(あくまでも計算しやすいように)にしてもらってこの物件を購入するとします。

仲介手数料は取引物件価格(税抜)によって算出できる速算式があります。事例では取引物件価格(税抜)は400万円を超えているので次の計算式を使います。

[取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税]

消費税を10%で計算すると仲介手数料は以下のとおりです。

・仲介手数料 = 3000万円×3%+6万 = 96万(税抜)

 96万円(税抜)に消費税10%を加えて105万6000円(税込)となります。

・支払総額は、物件価格3000万円+仲介手数料105万6000円(税込)=3105万6000円となります。

実際にはこの他に、引越し費用、登記費用等様々な費用がかかりますので、資金計画は余裕を持って準備した方が安心です。

◎仲介手数料はいつ支払う?

売買契約締結時に手数料の半額を、物件の引渡し時に残金を支払うのが一般的です。ただし、不動産会社によって異なる場合もありますので事前に確認しておきましょう。

※仲介手数料は売主・買主に関係なく、不動産会社(エージェント)と契約していれば売買が成立した時点で支払う義務が発生します。

 

補足:中古マンション本体は消費税がかかるの?

売主によって消費税の有無が異なるため注意が必要です。「取引態様」を見れば消費税の有無を見極めることが可能です。取引態様とは、不動産取引において不動産会社がどのように関わっているかを示すものです。例えば、ポスティングチラシ等で間取りや築年数などが掲載されている不動産情報欄の取引態様が「売主」と表示されている場合は、不動産会社自らが売主になっているため、消費税の課税対象となります。一方、取引態様が「仲介」や「媒介」などになっている場合は、不動産会社はあくまで仲立ちを行う存在であるあるため、売主は個人となりは消費税はかかりません。

 

いかがですか?こうして見ると、消費税10%や仲介手数料はけっこう大きな金額ですよね。売主が不動産会社の中古マンションは仲介手数料はかからないが、消費税はかかる。不動産会社(エージェント)が仲介する中古マンションは消費税はかからないが、仲介手数料はかかる。悩ましいですが、ホントに気に入った物件なら、あまり損得勘定をシビアに考えず購入決断をした方がいいのではないでしょうか?思い悩んでいるうちに、他の人が買っちゃうかもしれませんので。