コラム
立地や建物だけではない、マンションの資産価値とは?
「マンションは管理を買え」とはよく言われるが、私自身2回目のマンション管理組合の棟部会役員を(団地型のマンションで全10棟もある)していて、まさしく!!と思うと同時に、それだけでもない、とも思う。
分譲マンション居住(※6年+27年)の経験と管理組合経験を踏まえ、「資産価値のあるマンションとは何か?」について雑感を少し。
(※最初買ったマンションを売却して買い換えました)
◎管理組合の役員として
マンション管理組合(買い替え後)の棟部会役員の1回目は2005年(平成17年)福岡西方沖地震の時。当時棟部会長をしていて、棟の地震被害状況をアンケート調査したり、棟内外を巡回して直接目視調査したり、住民にヒアリングしたりして取りまとめ、バタバタだったがなんとか早期に全体理事会に報告完了してその後の改修工事等に繋がったが、まぁ結構大変だった。その分、やれやれと思いながらも居住する今のマンションに不思議と愛着がわいたのである。
今回は棟部会の監事という役目で、当部会の活動が適切に行われているかを「監督」するというたいそうな役回りを仰せつかっている。先月はエレベーターの入れ替え工事で、「エレベーターが使えない10日間あまりどうしようか⁈(12階建てなので)」と棟部会役員会で喧々諤々議論を重ね、対策候補に上がっていた介助等のサポート(高層階の高齢者の日常生活のサポート←結構高額)を外部に依頼せずに、住民同士で助け合おうとことになり、余計なお金を使わずに済んだ。
棟部会の今期の大きなテーマは、再来年に控えている2回目の大規模修繕工事の準備だ。まずは建物外観や共有部の状態の調査をコンサルに依頼し、大規模修繕工事に向けて現状の把握から進めている。この大規模修繕工事に関しては、全体理事会に設置されている「修繕専門部会」という専門部会がアドバイスしてくれている。ちなみに他に、植栽、広報、防災と計4つの専門部会が常設で活動しており、団地全体の安心安全な暮らしと資産価値の維持向上のためにサポートしている。
◎管理組合+管理会社+自治会の活動で良好なコミュニティ醸成
自治会活動も盛んで、1年を通して様々なイベントを開催していて、この時期はクリスマスイルミネーションを飾り付けたりと、ひと手間かけ住民を楽しませてくれている。住民全員で良好なコミュニティの形成やマンションの資産価値を維持向上させようという共通認識があるからこそ、それが棟部会活動や自治会活動に現れているのだろうと思う。
個々の住民にとってすべてが満足いく内容ではないかもしれないが、少なくともこのように常日頃から、管理会社と連携しながら管理組合活動や自治会活動を行っていれば、おのずと帰属意識も生まれ、お隣さん的な住民同士の緩やかではあるが温かなコミュニティが醸成されるのではないだろうか。
◎資産価値のある中古マンションを買おう
このようにある意味「住めば都」と思えるようになるには、やはり「管理」こそマンションの財産なのだ。そしてマンションの住人が自ら「管理組合の一員」として主体的に「管理」や「自治」に係り、管理会社と一緒に管理組合活動や自治会活動に取り組んでいけば、中古マンションであっても未来進行形の住まいとして「資産価値」を保っていけるのであろう。
と言うことで、中古マンションを購入しようと思っている方は、立地や環境、利便性や間取り、設備仕様、建物の見た目ももちろん大切ですが、住んでからの生活のことに思いを巡らせ、そのマンションがどんなふうに「管理」されているか、自治会活動の状況はどうなのか、よくよくチェックしてみてくださいね。
修繕積立金の未収や不足はないか、大規模修繕計画はあるか、また計画通りに実行されているか、共用部の清掃の状況や管理会社の対応や仕事ぶり等々、総会の議事録を見せてもらったり、可能なら管理組合の会長や自治会会長などに話を聞いてみましょう。必要であれば、エージェントが同行してサポートいたしますよ。
圧巻!モダニズム建築の巨匠アントニン・レーモンドの設計の 「門司ゴルフ倶楽部」のクラブハウス。
先週の土曜日、福岡県内で最古(昭和9年(1934)に創設)の「門司ゴルフ倶楽部」でプレイしてきました。創設当時から北部九州の名だたる企業人や財界人が会員として名を連ねた由緒ある名門ゴルフ場ですよ。ワタクシごとき「へぼ」がプレイするには憚られるくらいですが、ゴルフ仲間のお誘いなので遠慮なく便乗させていただきました。
ゴルフ仲間から恐々吹き込まれていたようにまさしくトリッキーで難しいコースでしたが、何よりもワタクシの心を奪ったのは、そのクラブハウスです。なんとあの世界的な建築家アントニン・レーモンドの設計なのです。
因みにアントニン・レーモンドは世紀の大建築家フランク・ロイド・ライトとともに帝国ホテル建設のために来日し、その後日本で設計活動を始め、その作品は「モダニズム建築」と呼ばれ我が日本建築の近代化に大きな影響を与えた大先生建築家なのですぞ。
そのクラブハウスの見どころは、何と言っても構造材を意匠材として現し、しかも素材のもつ特性や機能性をデザインとして昇華させ表現しているところであろう、と。さらに鉄筋コンクリート構造はヨーロッパで生まれの手法ですが、日本の伝統的手法である木造や障子を用いて、モダニズム建築のなかに「和」の手法を取り入れているところに日本に対するリスペクトを感じられ、落ち着く空間となっています。このような手法は戦前の建築には見られなかったそうで、アントニン・レーモンドが戦後に近代建築の可能性にチャレンジしたものと評価されているそうです。
質素だが「必要にして十分」に美しく、シンプルだが力強いその佇まいは、まさに圧巻!
本来のゴルフより、モダニズムの巨匠アントニン・レーモンドの建築物をリアルに観れたのが良かったですね。決して、スコアが散々だったのを搔き消そうとしているわけではありません。。

